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2005年12月 9日 (金曜日)

カズぼんの真顔

「あーあ、だめじゃない、カズくん」

膝にまたがってこっちをむいてすわっているカズぼんを

ひょいと抱き上げ浴槽の中へ立たせてみると、

ふらふらとお湯の中を歩いて、湯沸かしのスイッチをさわりはじめ、

そして、偶然スイッチを切ってしまった。

”こーじ”も私にあわせ、少し怖い声で言った。

「カジュ、だめでしょ」

すると、

いつも、なーんにも考えていないような顔をして無邪気にいたずらしている”カズぼん”の顔が、一瞬、真顔になった。

そういえばこの子は、食卓でいたずらしているとき

「あ、それダメ!」

と、こちらがいうと、すぐにわかったように手を離し、また別のものをさわりに行く。

私と”こーじ”の、いつになくこわいようなしゃべり方を聞いて、この子は事態をのみこんだのだろう。

少年のような真剣な顔だった。

「しまった・・・」とでも思っているのだろうか。

それとも、「いや、僕は悪くないんだ」と主張しているのか。

1歳でも、ちゃんと相手の顔を見ているんだ。

私が話しかける、その言葉の調子や表情を何食わぬ顔でいつも観察しているんだ。

もしかしたら、しゃべっている内容まで、ほんとうは全部理解しているのか。

”カズぼん”の真顔を見て、一瞬でいろんなことを考えてしまった。

”カズぼん”が水道の蛇口をさわっている間に自分の体を洗おうと浴槽から立ち上がると

ものすごい勢いで向き直り、こちらに抱きつきに来る。

おいて行かれると思っているんだ。

あー、やっぱり、1歳。かわいい。

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