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2006年1月23日 (月曜日)

水鉄砲

「ぶぅわはっ!」

「どうしたっ!」

今日は”あっくん”とふたりだ。

”こーじ”も”カズぼん”も風邪気味なのでおふろはおやすみ。

「はいるーうう」

”こーじ”が泣いているのが聞こえる。

しばらく黙ったままの男二人。

「あっくん、こんなんできるか?」

両手を少しずらしてあわせ、親指のつけねのすきまからお湯を噴水のように出してみせる。

じつは自分もそんなに上手にできるわけではない。

「おとーさんの子供のころにはじょーずにする人がいてたなあ。」

そう、会社の社宅の共同浴場。

いろんなおにいさんたちが、いろんなことをしていた。

洗面器の口をふたつあわせ、なぜかあいだにタオルをはさんで”浮き”にする。浴槽が大きかったからぷかぷか浮かんで楽しかった。

両手でする水鉄砲にもいろんなタイプがあった。ほんとうに指の先から出すことができる人もいた。どうやってたんだろう?

窓から浴場を管理するおっちゃんが時々のぞく。

「こら!パンツはいたままふろはいってんのは誰や!」

夏、子供達はみんな日焼けして、水泳パンツのあとがくっきりついているのだ。

楽しかった・・・

・・・・

あ、この子は生まれたときからうち風呂か・・・

風呂で友達と遊んだことなんて一度もないのだ・・・

”おふろぱぱ”は、友達の役割もしてやらなければ。

「ほら、あっくん、こんなに飛ぶで。ほらほら、こっちからも出てるやろ。」

「・・・・」

「あっくんできるか?やってみ。」

「できない。やれない。」

くるりとむこうを向いた。

この子は小さいときから、うまくやれないと機嫌がわるくなるのだ。

できないことが我慢できない。だから、できないと思ったことは、やらないのだ。

しばらく向こうを向いてうつむいている。

あきらめた。もう、それ以上はちょっかいをかけない。しつこいときらわれるのだ。

しばらくすると

「ぶぅわはっ!」と突然”あっくん”が大声を出しのけぞった。

「どうした?」

「急に顔にいっぱいとんできた。」

「ん?」

見ると向こうを向いて胸の前で手を合わせている。

こいつ!こっそり練習していたのか!

なんと、負けず嫌いなやつだ。

誰に似たんだろう?

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